いつもお世話になっております。孫平です。
皆さんは普段お酒を飲みますか?もし飲む習慣があるのであれば、お酒を飲みつつ健康になれたら最高ですよね。
ということで今回は、飲酒と健康についてのお話です。
結局お酒は1日にどれぐらいまで飲んでいいの?
「酒は百薬の長」とよく言われますが、飲み過ぎが健康を害するのは言うまでもありません。
では結局のところ、アルコールの摂取量はどれぐらいまでならいいのでしょうか。
そこで、アメリカの内科専門誌『アーカイブズ・インターナル・メディシン』に掲載された記事を見てみましょう。
世界各国から、合計100万人を対象とした34もの調査研究結果を分析したところ、男性はアルコール換算で1日20〜40g、女性は1日10〜20gの飲酒が習慣になっている人は、飲酒習慣のない人よりも、死亡リスクが男性は最大17%、女性は最大18%の低下が期待できることが分かった、
そうです。
また、日本人のみ30万人を対象にした6つの調査研究結果を分析した別の報告では、
アルコール換算で、男性は1日46g未満、女性は1日23g未満の飲酒を習慣にすると、最も死亡リスクの低下が期待できる、
という結果となったそうです。
ここでポイントになるのは、「アルコール換算で〇〇g」という制限がついているところでしょう。
アルコール量をおおまかな目安でいうと、350mlのビール1缶は18g、500mlのビール1缶は32g、日本酒1合は28g、ウイスキーのダブル(60ml)は22gといった感じになっています。
これを先ほどの分析結果と照らし合わせると、飲酒における健康効果の恩恵を受けるには、「1日に缶ビール1、2缶」というのが目安になってきそうです。
日常的に飲酒の習慣がある人にとっては、妥当か少し物足りない量かもしれませんね。
飲酒と病気のリスク
しかし、健康のことを考えると、やはり1日缶ビール1、2缶に留めておいた方が良さそうです。
理由としては、虚血性心疾患・脳梗塞・II型糖尿病による死亡リスクは、1日缶ビール1、2缶までなら下がっていきますが、それ以上アルコールを摂取すると死亡リスクが急上昇するからです。
また、この記事の内容を否定してしまいますが、病気のリスクという点で考えるとそもそも「アルコールは摂取しない方がいい」という研究結果も出ています。
というのも、高血圧・脂質異常症・脳出血・乳がん・肝硬変などによる死亡リスクは、アルコールを1滴でも摂取すると上昇していくことが分かっているからです。
ただ、飲酒を通して体験できる人とのコミュニケーションや、楽しく笑顔になれることによる、精神面や身体面への効果も非常に大きいと考えられるため、適量の飲酒というのが一番バランスが良いのかもしれません。
つまり、お酒による健康効果は間接的に得られるもので、お酒を通して人間関係が活性化することで、精神的に良い影響が生まれ、結果として身体的にも良い影響を受けるんじゃないかと思います。
そういう良い効果がアルコールの害悪を上回るのであれば、飲酒は健康に良いものにもなるでしょう。
また、みなさんの中にはお酒を飲めないという人もいるかと思いますが、そういう人は無理して飲む必要は全くありません。
世の中には健康になるための方法はたくさんありますから、そっちにお金と時間を投資していきましょう。
今回の話はあくまでも日常的に飲酒の習慣がある人が、どうせ飲むなら飲む量を調整すれば健康になれる可能性があるよ、っていうことですので。
お酒は、美味しく楽しく適量で。
【参考文献】
川田浩志『長生きの統計学』2017年(文響社)
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