いつもお世話になっております。孫平です。
みなさんの周りにもナルシストはいると思いますし、自分自身にナルシストの自覚があるという人もいるでしょう。
ということで、ナルシストについての簡単なまとめでーす。
「ナルシシズム」の由来
ナルシストとは、ナルシシズム(自己愛)傾向が高い人のことを言います。
実はこの「ナルシシズム」という言葉の由来には、ギリシャ神話が関係しています。
おおまかなストーリーはこんな感じです。
ナルキッソスという、女神や妖精からも求愛されるぐらいのすごい美青年がいた。あるときナルキッソスが水を飲もうとしたところ、水面に映った自分自身に恋をしてしまう。しかし、ナルキッソスがいくら愛の言葉を投げかけても、水面に映った自分はまったく反応してくれない。そんな状態が続いたナルキッソスは、最終的に身をやつして死んでしまう。彼が死んだあとの水辺には、彼の生まれ変わりのように可憐な、水仙の花(英名=ナルキッソス)が咲いていた。
画家のカラヴァッジョが描いた「ナルキッソス」という作品も検索してみて下さい。
誇大性ナルシシズム傾向が高い人の特徴
・自分は特別な人間だと思っている
・自分は有能だと思っている
・承認欲求や賞賛されたいという欲求が強い
・自己中心的で共感性が低い
・自分の特権意識を否定してくる人に、敵意や怒りを向ける
このような誇大性ナルシシズム傾向が高い人は、その社交性や自信の高さから、人間関係の初期の段階では周りからの評価は高く、人気者になりやすい。
しかし、共感性の低さや極端に高い自己評価のせいで徐々に人が離れていき、やがて人間関係が崩壊していく。
つまりこのタイプの人は、短期的な人間関係を繰り返す傾向がある。
過敏性ナルシシズム傾向が高い人の特徴
・周りの評価を気にしすぎる
・とても傷つきやすい
・他人から認めてもらわないと自信をもつことができない
・自分のことを気にかけてくれない、受け入れてくれない人に敵意や怒りを向ける
このような過敏性ナルシシズム傾向が高い人は、周囲からの自分に対する評価をいかに落とさないか、ということに必死になる。
まとめ
2つのナルシシズムのメカニズムは異なっていますが、根本的にはどちらも「意識や関心のベクトルが過剰に自分に向けられている」、「自分を認めてくれない人に対して過剰に反応する」という点で共通しています。
誰もが多かれ少なかれナルシシズム=自己愛を持っています。
そして健全なナルシシズムは、自分自身に勇気と自信を与え、自尊心を満たしてくれます。
しかしそれも過剰になってしまうと冒頭のナルキッソスよろしく、自らを愛しすぎてしまうが故に自ら身を滅ぼすことになりかねません。
なにごとも中庸が大切ですが、自分のナルシシズムも常に適切なレベルに維持しておきたいものです。
【参考文献】
越智啓太 編『私たちはなぜ傷つけ合いながら助け合うのか 心理学ビジュアル百科 社会心理学編』創元社(2022年)
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