いつもお世話になっております。孫平です。
皆さんも仕事をする中で、担当している業務がどうしても期限までに終わらない、ということがあるのではないでしょうか。
そんなとき、皆さんはどうしていますか?
上司に、期限までに終わらないことを伝える人もいれば、自分の能力を低くみられたくないがために、死に物狂いで頑張る人もいると思います。
いずれにしても、「仕事の期限を延長するという行為は大きなストレスになる。」
そんな風に思っているのであれば、これから紹介する研究を是非読んでみて下さい。
期限の延長は本当に悪いことなのか?
ほとんどの人たちは、期限延長の申し出をしたがりません。
それは相手への罪悪感からくるためであったり、自己保身のためであったりと、様々な感情が影響しています。
しかしそもそもの話、期限を延長することによる悪い影響は、本当に存在するのでしょうか?
そんなことを調査した研究があります。
計7,241人の被験者に10回の実験を行った。
何人かには、論文作成やイベント計画などのタスクを考えてもらったり、実際に行うよう指示した上で、期限の延長を求める機会も与えた。
その他の人たちは、スーパーバイザー(管理者・監督者)役を務めた。
その結果、スーパーバイザー役の人たちの多くは、期限の延長を求めてきた被験者に対して、能力が低いと評価することはほぼなく、逆により高いモチベーションを持っていると評価し、期限の延長を快く受け入れた。
というような結果がでたのです。
期限の延長は良い効果をもたらす
先ほどの研究結果から言えば、期限の延長を申し出ても、悪い影響はないどころか、良い影響をもたらす可能性すらあるということになります。
そのため、私たちが抱えている仕事が万が一期限までに間に合わない状況でも、上司に対して延長の申し出を躊躇する必要は全くありません。
期限を延長できれば、抱えている仕事のストレスを減らすことができ、質も向上する可能性だってあるのです。
逆に上司は、期限の延長による従業員への良い影響を十分理解し、なかなかその申し出をしたがらない人たちも含めて、皆が気楽に期限の延長を求められるような戦略的な方法を構築するべきでしょう。
管理者も従業員も期限延長によるメリットを理解できていれば、皆がもっと働きやすくなるし、組織全体としての成果も上がる可能性があるのです。
「締切をいついつまでに延長してくれませんか?」などと言ったら、上司や周りの同僚から「こいつは仕事ができないやつだ」と思われてしまうのではないか…
しかし実際には、ほとんどの人はそのような評価はしません。
そんな思い込みは今すぐ捨て去って、もっと気楽に、そして思い切って、期限の延長をお願いしていきましょう。
【参考文献】
"It Doesn't Hurt to Ask (for More Time) : Employees Overestimate the Interpersonal Costs of Extension Requests," by Jaewon Yoon, Grant Donnelly, and Ashley Whillans (working paper)
"Employees Rarely Ask for Extensionsーbut Often They Should," HBR, July-August 2019.
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