いつもお世話になっております。孫平です。
今回は、美女やイケメンなど外見的魅力が優れている人は本当にモテるのか?、それとも性格の良さがモテに繋がるのか?といったあたりをみていきたいと思います。
自分の外見に自信がある人も自信がない人も、実際の結果はどうなのかちょっとドキドキしますね。
外見vs性格
この外見か性格か問題についての実験は、いろいろな研究者が行っています。
まずは、ミネソタ大学のウォルスターらが1966年に行った実験を簡単に紹介しましょう。
舞台は、大学の初年度の学生向けに行った出会い系パーティーで、ここでの参加者が実験台になります。
彼らは、コンピューターがあなたに最適なパートナーを紹介する、という名目で集められました。そのためにまず、参加者の性格特性を測定しました。
その後、コンピューターから最適なパートナーを選び出してもらい、その男女のペアで2時間半パーティーで過ごしてもらいました。
このとき実は、男女のペアはランダムに組み合わされていました。
そしてパーティー終了後、参加者は個別に、パートナーになった人ともう一度デートしたいか?という質問をされました。
ここでは参加者はランダムに組み合わされていますが、事前の性格特性の結果や大学での成績は研究者側で把握しているので、「もう一度デートしたい」つまり「モテ度」と「性格や学力」の関係を調べることができます。
結果はなんと、「性格の良し悪しや学力」と「モテ度」の関係はほとんどなかったのです。
そしてここからが面白いのですが、この実験ではもう一つ密かに測定されたものがあったのです。
それは「外見的魅力」です。参加者は性格テストを受けている間に、研究者側から外見的魅力を評定されていたのです。
そしてこの「外見的魅力」と「もう一度デートしたいか=モテ度」との関係を調べてみると、その相関係数は、男性で0.36、女性で0.44ありました。
一般的に0.3以上あれば意味があると言われるので、この数値は統計的に有意なものです。
つまりウォルスターらの実験結果からは、モテるかどうかは性格や学力ではなく外見的魅力によって決まる可能性が高い、ということが分かったのです。
本当に信用できるの?
私たちは、人は見た目じゃなくて中身の方が大事だ!なんて教わってきたものですから、こんな人間の本性を暴くような結果が出ると動揺しますよね。(心のどこかでは、うすうす気付いていたところもあるでしょうが。)
研究者の世界でも当然、反論のための実験が行われました。
ペンシルバニア州立大学のブリスリンとルイスは1968年に、ウォルスターらと同じような実験を行いました。
その結果「モテ度」との相関係数は、「価値観の一致」が0.64、「社会性」が0.60と、性格に関する項目でも有意な数値が出ました。
しかし、なんとここでも、「外見的魅力」と「モテ度」の相関係数は0.89というとんでもなく高い数値が出たのです。
ちなみに、バーンという研究者が1970年に行った実験でも、同じような結果が出ました。
研究者のマテスは、「デートの回数が増えれば外見的魅力の影響は低下するのではないか?」という疑問を抱き、被験者の男女に40分のデートを1週間ごとに計5回行わせ、1回ごとに相手の魅力度を評価してもらう実験を行いました。
結果はやはり、魅力的な外見の人は1回目から5回目までの全ての評価が、魅力的でない人よりも高かったのです。
これらの結果から、少なくとも恋愛の初期段階(出会い〜数度目までのデート)は、外見的魅力が高い人にとって有利な状況が続くといえそうです。
では、外見的魅力が低い人は諦めるしかないのかというと、そんなことはありません。
その理由については、また後日お伝えしたいと思います。
それではまたお会いしましょう。
【参考文献】
越智啓太『美人の正体』(2013年)実務教育出版
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