いつもお世話になっております。孫平です。
みなさんはおそらく過去に、面接やプレゼンなどを経験してきていると思います。
また、これからも経験する機会があるかもしれません。
そのような、人前で何かを発表したり表現する場では、私たちは目の前の評価者や聴衆に「良い印象を与えたい」「期待に応えたい」と思って臨むことが多いと思います。
普通に考えたら、それはごく当たり前のことですよね。
しかしある研究では、そのような「気に入られようとする行為」は、かえって逆効果になるのではないかということが指摘されています。
それでは、その研究内容について見ていきましょう。
プレゼンでは「自分らしく」振る舞え
この研究では、資金調達を競う起業家166人のプレゼンスタイルとその結果を調査した。
起業家らにはプレゼン後、「ありのままの自分を出せた程度」と「審査員の期待に応えようとした程度」を評価してもらった。
その結果、「審査員の期待に応えようとした程度」が高かった人は、そうでない人よりも資金を獲得できる可能性がはるかに低かった。
面接でも「自分らしく」振る舞え
その後に、模擬面接の実験も行われたが、プレゼンのときと同様のパターンが確認された。
「自分らしく」面接に臨むように指示された参加者は、「面接官の期待に応えて回答する」ように指示された参加者よりも、面接官からの評価が高かった。
「ありのままの自分」でいこう!
研究者らはこの結果に対して、「人の好みを予想し期待に応えようとすることで、かえって不安が増してしまう。そのため、他人に迎合することはパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある。」と述べています。
もちろん、一般常識的なルールや明確な答えがある場合には、その通りに行動するべきです。
電車の中で、「これが俺のスタイルだから」といって、タバコを吸うことが許されるわけはありませんからね。
どのように振る舞うか自由に決めてもいい場面、やはり面接やプレゼンなど何かを発表する場面では、「他人がどう思うか」ではなく「ありのままの自分で」臨む方が良いのかもしれません。
今後そのような機会があったときには、思い切って「自分らしく」望んでみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
"To Be or Not to Be Your Authentic Self? Catering to Others' Preferences Hinders Performance," by Francesca Gino, Ovul Sezer, and Laura Huang (Organizational Behavior and Human Decision Processes, 2020)
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