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「誰と付き合うか、それが問題だ!」

更新日:2022年4月11日




 いつもお世話になっております。孫平です。


 皆さんは普段、どんな人たちと一緒に過ごしているでしょうか?もちろん大半の人は「家族」だと思いますが、家族以外の仕事の同僚や友人はどんな人たちでしょうか。



 自分が尊敬できる人、自分を向上させてくれる人など、いわゆるメンターが近くにいれば、自分がどんどん成長できるのは想像に難くありません。


 

 では逆に、この人と一緒にいるとなんか嫌な気持ちになる、やる気がなくなる、そんな人が近くにいることの弊害を考えたことはありますか?


 そういう人と過ごした経験は皆さんもあると思いますし、職場などでは現在進行形の方もたくさんいるでしょう。




 今回はそのような、付き合う人から受ける影響について見ていきたいと思います。



 それでは参りましょう。








能力に差が出る空軍士官候補生たち


 まずは、全米経済研究所が、アメリカ空軍士官学校の一部の候補生たちの動向を、4年間にわたって追跡調査して分かったことを紹介しましょう。


 

 候補生たちは入学と同時に、中隊と呼ばれる約30人から成る隊に無作為に割り当てられる。(中隊は第二の家族のようなもので、その隊のメンバーと4年間毎日寝食を共にする。)


 学校ではどの中隊も、同じ訓練を受け、同じように生活を送るが、4年間の間に運動能力が格段に向上する中隊がある一方で、伸び悩む中隊もあることが以前からたびたび確認されていた。



 そして、研究者たちによる調査の結果、その中隊の候補生の能力がどれだけ伸びるかは、隊の中で一番能力が低い候補生のモチベーションにかかっていることが判明した。


 その候補生が頑張っている場合、そのやる気が広まって隊全員の能力が向上する。しかし、その候補生がやる気がなかったりマイナス思考の場合は、他のメンバーもやる気を失ってしまったのである。

 

 この研究からは、モチベーションは伝染しやすいと言えそうです。しかもその鍵を握っているのが、メンバーの中で一番能力の低い人物だという点もとても興味深いです。








他人の行動を見ているだけでも影響を受ける


 続いて、ロチェスター大学の研究者たちが行った実験を紹介しましょう。


 

 被験者を2つのグループに分け、ゲームをする人たちの動画を見てもらった。


 第1グループには、心から楽しんでゲームをする人たち(内発的動機)の動画を見てもらい、第2グループには、他人からの評価や賞金を得るためにゲームをする人たち(外発的動機)の動画を見てもらった。


 その結果、第1グループの方が「自分のモチベーションが上がった」と答える人が多かった。


 さらに待ち時間になったとき、第1グループは動画に出てきたゲームを自分の意志でやり始めたが、第2グループはやらなかった。

 

 このようにモチベーションは、良くも悪くも他人の行動を見ているだけで影響を受けると言えそうです。








伝染しやすいのはモチベーションだけではない


 スタンフォード大学の心理学者、エマ・セッパラ博士の言葉を借りれば、「人間は感情移入しやすい」生き物です。


 また、世の中には伝染しやすい感情があり、伝染した人は、つい同じような行動や振る舞いをしたくなるのです。



 いくつかの研究結果を紹介しましょう。



 

・太った友人が1人いると、自分も太る可能性が57%高くなる。



・友人の友人が肥満だった場合、自分も肥満になる可能性は20%高くなる。



・1人の友人がタバコをやめると、自分が喫煙する可能性は36%減少する。



・顔を知っている程度の知人がタバコを吸い始めただけで、自分も喫煙を始める可能性が11%高くなる。

 

 要するに、どんな人と付き合うかで、私たちの行動は大きく影響されるということです。








付き合う人を選ぶ


 ここまでの話を踏まえて言えることは、私たちは「付き合う人をよく選ぶべき」だということです。


 中には、厳しい言葉をかけて成長を促してくれる重要な人物もいます。自分にとって嫌な人全員が、自分の人生に必要のない人だとは言えません。


 しかしそれは後から分かることで、そのときに見極めるのは難しいかもしれません。




 ここではシンプルに、「前向きに、誠実に生きている人」と意識して付き合うようにする、と決めてしまえばいいでしょう。


 それと同様に大切なことが、「卑屈で、不誠実に生きている人」を意識して避けるということです。




 もし皆さんが管理職で、職場に周りの士気を下げる言動ばかりしている部下がいたら、絶対に将来有望な部下やエース級の部下に近付けてはいけません。マイナスなエネルギーは、プラスのエネルギーの7倍も伝染力が強いという研究結果もあります。


 組織にとってマイナスな影響を及ぼす社員は、そういう社員同士でかためておいた方がいいでしょう。



 また、社内で一番仕事がデキない社員は早々に見限ってしまうのではなく、結果はともかくとして、その人が仕事を頑張れるようコミュニケーションをとり環境を整えてあげましょう。

 彼ら彼女らの頑張る姿勢が、組織全体のモチベーションを上げ、結果的に大きな成果につながる可能性があるのですから。





 私もまだよく分かりませんが、人生は長いようで短いものなのだと思います。それであれば、良い人たちに囲まれた人生を送っていきたいですよね。


 自分にとってマイナスな人たちにかかずらっている暇はないのです。






【参考文献】

ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス『PEAK PERFORMANCE』2017年(ダイヤモンド社)





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